岸田政権の人事をめぐる、水面下でのやりとりが明らかになりました。国会で野党側が取り上げたのは、政府の「新しい資本主義実現本部」の事務局長代理を務める新原内閣審議官が岸田政権の発足前の2021年に政府の会議や大臣の人選について進言した際の資料です。
参議院の内閣委員会で立憲民主党の杉尾参院議員は、岸田政権が発足する直前の2021年の10月1日に作成されたとする「岸田新政権樹立に向けた留意事項」などと書かれた資料を入手したことを明らかにしました。
杉尾氏は、資料の中に木原官房副長官の名前があることなどを明らかにしたうえで、新原氏からこの件で説明を受けていたのではないかと問いただしました。
木原官房副長官
「大変恐縮ですが、私、極めて多くの各省の方々からペーパーをいただいております。これが誰の作成のもので、誰から出されたものかということは、判然とはいたしません。ただ、書かれていた内容につきましては、説明を受けたあの記憶はございますので、そういう意味では、内容については承知をしているということでございます」
木原副長官はこのように答える一方で、資料に書かれていた名前をもとに「新しい資本主義実現会議」の人選を決めたのではないかとの指摘については「特定の省庁の幹部の意見に左右されるということはない」などと否定しました。
杉尾参院議員
「さらに、このペーパーには内閣の人事まで書かれているんですね。こういうふうな記述があります。コロナ対策について、これは菅政権の当時の厚労大臣でした。田村大臣を続投させない場合は、本件を差配していた後藤茂之議員、加藤官房長官くらいか、こういうふうな記述があります。実際に加藤議員が厚労大臣になられました。その後、組閣でですね。そして今日、お越しいただいておりますけれども、後藤議員がですね、新しい資本主義とコロナ対策担当大臣。このペーパーの通りになっているんですけど、後藤大臣はこういう経緯をご存知でしたか」
後藤経済再生担当大臣
「今お尋ねの文書については存じ上げていないわけでありますけれども、お尋ねがありましたので新原氏に尋ねましたところ、当時政府の成長戦略会議の事務局長の任にあたり、政府内の調整や政府と与党との調整にあたっておって、その過程で使われた文書だというふうに聞いております」
杉尾参院議員
「確認します。新原さんが作成されたことを認められたんですね」
後藤経済再生担当大臣
「新原氏は、その文章を作成することにしたことについては認めております」
新原氏の上司にあたる後藤経済再生担当大臣はこのように答弁し、新原氏が資料を作成したこと自体は認めました。
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