牛丼チェーンの吉野家が日本人の女子大学生を名前だけで“外国人”と判断して会社説明会への参加を断っていた問題。吉野家は5月9日になって学生にメールと電話で謝罪しましたが、問題の本質はどこにあったのでしょうか?

■「私が日本国籍を持っていることを伝える気力もなくなった」

吉野家に会社説明会への参加を断られたAさん:
メールをもらったときは驚きとショックとあと少し怒りの気持ちもありました。

こう話すのは、現在就職活動中の大学4年生のAさん。
5月1日、吉野家の会社説明会に応募したところ“外国籍”であることを理由に参加を断られました。吉野家から届いたメールには・・・   吉野家採用担当からAさんに届いたメール
「外国籍の方の就労ビザの取得が大変難しく、ご縁があり内定となりました場合も、ご入社できない可能性がございます。今回のご予約はキャンセルとさせていただきますことをご了承ください」

吉野家は断った理由を「以前、外国籍の学生に内定を出した際、就労ビザが取れずに内定を取り消さざるを得なかった」と説明。ところが、Aさんは日本生まれ、日本育ちの日本人でした。では、なぜ参加を断られたのでしょうか?吉野家の判断基準はこうです。吉野家への取材の回答
「氏名、住所、学校などの情報から総合的に判断しています」

実は、Aさんは父親が海外出身・母親は日本人。苗字は父親の姓と同じカタカナ表記。
一方で、ファーストネームは日本でも一般的に使われている名前です。そして国籍は、母親と同じ日本国籍です。

吉野家に会社説明会への参加を断られたAさん:
(名前が)カタカナであるだけで勝手に外国籍と判断されてしまうのだと悲しくなった。結構ショックを受けてしまって、返信したり、私が日本国籍を持っていることを伝える気力もなくなった。

■「見せかけのグローバル企業」 専門家が吉野家の対応に苦言

人材マネジメントに詳しい専門家は、吉野家の対応について苦言を呈します。学習院大学 守島基博教授:
重要なのは本人がちゃんとビザを取っているのか。もしくは取れる可能性があるのかを確認すること。(確認を)やっていなかったというのが今回の非常に大きな間違いだった。

吉野家も取材に対して「まずは連絡をするはずが、その作業を怠り申込情報のみで判断した」と確認不足を認めました。

学習院大学 守島教授:
ダイバーシティ(=多様性)というポリシーを掲げることと、それを実際に各部門が実践していくことには大きな違いがある。海外に店舗を出していたり、ポリシーを作っているだけでは、見せかけのグローバル企業であって、真の意味でのグローバル企業にはなっていかない。