「正直、長すぎた」帰還に立ちはだかる12年の壁
小林奨さん「正直言うと、長すぎたという気持ちもあるが、やっと解除したかという気持ち」
小林さんは、中学3年の時に被災。県外の高校や専門学校を卒業したあと、一度は東京で就職しましたが、3年ほど前に福島に戻ってきました。
復興拠点の避難指示解除を見据えて、この家に住むことを検討してきましたが…。
小林奨さん「今住むかと言われたら、正直すごい悩んでいるところで、リフォームするには何百万という単位がかかってくるので、なかなかここで住むという決心はつかない」
12年離れた家に戻るには、経済的な負担と周辺に知り合いがほとんどいないことが大きな壁になっていました。戻りたくても、容易にはいかない現実がいまだにあります。
それでも、小林さんは若い世代が活躍できる町であることを身をもって発信しようと、去年11月から、町内にあるリメークデニムの専門店で店長として勤務しています。

小林奨さん「若い世代が町に足りていない部分だが、自分を通して全国の若い世代とかに響いて、ここの地でも活躍できるというのを伝えていけたらいいなと思っている」
復興に向けて新たな一歩を踏み出した富岡町。帰還する人、しない人…それぞれの未来を見据えるまなざしが、町の未来を紡いでいきます。














