福島県富岡町では、1日に帰還困難区域の一部の避難指示が解除されました。しかし、解除されてもすぐには帰還できない住民の姿もありました。

福島県富岡町のシンボル「夜の森の桜並木」。この日は、避難指示解除を待ち望んでいたかのように満開に咲き誇っていました。

1日に避難指示が解除された、富岡町の夜の森地区を中心とした「特定復興再生拠点区域」。復興拠点では、3月1日現在、2580人が住民登録をしていますが、「準備宿泊」の利用者は、56人に留まっています。

富岡町・山本育男町長「全域解除に向けた第一歩だと思っている。これによって帰還する方、移住定住を考える方がいればすごくありがたい」

町では、5年後までに拠点内で1600人の居住を目指していますが生活環境の整備など課題は数多く残されています。それでも、今回の解除によって、夜の森の桜並木がある全ての地域で生活が可能になりました。

避難指示の解除に合わせて行われたセレモニーで、内堀知事は…。

内堀知事「サクラの木から新たな若葉が芽吹くように、富岡町がこれからも未来に向けてさらに力強く進まれることを心から期待をしている」

こうした中、町に戻りたくても戻れない若者の姿もありました。

小林奨さん「ここが震災前に暮らしていた自宅です」

復興拠点の中に実家があり、今はいわき市で両親などと暮らしている小林奨さん(27)です。

小林奨さん(27)