14年ぶりに世界一となった侍ジャパンで活躍してMVPにも選ばれた大谷選手。実は大活躍の裏で病気と闘う子どもたちを支援してきました。大谷翔平選手と川崎さんの長男・翔平ちゃん、2人の翔平が顔を合わせたのは2019年1月、翔平ちゃんが亡くなる2か月前のことでした。
(翔平ちゃんの母親・静葉さん)
「当時“翔平くんを救う会”として頑張ってくれていた役員の方が、どうにか大谷選手と連絡取れないかな、ということで動いてくれた」
大阪府内の病院で人工心臓をつけて闘病していた翔平ちゃん。両親らが募金活動を行うなどしてアメリカでの心臓移植手術を目指していました。そんな我が子に応援のメッセージを送ってほしいと母親の静葉さんが支援団体を通じて打診したところ、大谷選手は同じ名前という縁で快諾。大阪までお見舞いに来てくれました。
そして翔平ちゃんを抱っこした大谷選手は…。
(大谷翔平選手)
「あたたかいです、本当に」
その後、募金が集まり、移植に向けた最終調整を行っていましたが、渡米前に体調が悪化して、翔平ちゃんは亡くなりました。ただ母親の静葉さんは今も大谷選手に感謝しています。
(翔平ちゃんの母親・静葉さん)
「元気をたくさんもらったので、できれば元気になって会いに行きたかったんですけど、本当はね。元気になって試合を見に行ったりとかしたかったんですけどね」
あれから4年。翔平ちゃんの下に弟が2人生まれ、今は翔平ちゃんの写真と共にきょうだい3人で野球観戦。大谷選手の活躍は家族にとって生きる力になっています。
(翔平ちゃんの母親・静葉さん)
「日々あわただしい子育てしている中でなかなかね、忘れてはいないのですけれど、子育てに集中しちゃう部分が正直あって。なんですけど、大谷選手が活躍したり、頑張っておられるところを見ると、やっぱり翔平を思い出します」
(翔平ちゃんの父親・太志さん)
「すごく活躍している姿は自分自身も勇気がもらえる」
また、母親の静葉さんは日本の移植医療について「小児の移植医療が進まない状況でもどかしいです。翔平が亡くなった今、私たちができることは、大谷翔平選手をはじめ、皆さまへの感謝の気持ちはもちろん、病気と闘う子どもたちの力に少しでもなることだと思っています。1人でも多くの方に移植医療について知っていただけるとうれしく思います」と話しています。