中国の習近平国家主席は先月31日、スペインのサンチェス首相と会談し、「ヨーロッパは戦略的自立性を堅持することが必要だ」と述べ、対中圧力を強めるアメリカと一線を画すよう求めました。

国営の新華社通信によりますと、習近平国家主席はヨーロッパ諸国との関係について「良好な関係を発展させるには、ヨーロッパ側が戦略的自立性を堅持することが必要だ」と強調。対中圧力を強めるアメリカとは一線を画すよう求めました。

これに対し、サンチェス首相は「中国と率直なコミュニケ―ションを維持し、特に電気自動車や環境分野での協力を深めたい」と応じました。

また、ウクライナ情勢について、習氏は「極端な制裁や圧力はやめるべきだ」と述べ、欧米諸国によるロシアへの経済制裁を批判しました。

これに対し、サンチェス首相は中国が発表した停戦を呼びかける文書に言及し、「政治的解決のために中国が果たした建設的な役割を高く評価している」と述べたということです。

新型コロナの感染拡大後に中国を訪問したEU=ヨーロッパ連合加盟国の首脳は、ドイツのショルツ首相に続き2人目です。アメリカとの対立激化を背景に中国はヨーロッパ諸国との関係改善に力を入れています。