ロッテの開幕2戦目、ソフトバンク戦(1日、ペイペイドーム)の先発マウンドに上がる種市篤暉(24)。2020年のトミージョン手術を経て、開幕ローテ-ションを勝ち取った7年目の右腕は「体の状態はだいぶ仕上がっていますし、投げられる準備もできています。後は投げるだけ」と意気込む。

高卒3年目の2019年にチーム最多となる8勝を挙げ、2020年にはプロ初完封勝利。しかし、同年9月に右肘靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を経験し、そこから長期間のリハビリを余儀なくされた。2022年8月に740日ぶりの復帰登板を果たしたが、昨季の1軍登板は1試合のみで、今季、完全復活を目指す。

「ローテーションに入りたいと思って12月オフシーズンに入った時から準備してきているので、それはひとつ叶えられた。ここから後は成績だけ残していけるように頑張ります」。令和の怪物・佐々木朗希(21)らと共に、先発投手陣の軸となることが期待されている。

オフにはアメリカ・アリゾナ州での自主トレを敢行した。「海外の雰囲気を感じるだけでも勉強できると思っていますしアメリカのマイナーリーグ、メジャーリーガーが使う施設でやらせてもらってだいぶ刺激にもなりました」と話すなど表情からも充実ぶりが伺える。

日本が3大会ぶりの世界一となったWBCでは予備登録メンバーとして、代表に選出された。3月7日の侍ジャパン強化試合・オリックス戦では先発のマウンドに上がり、4回無安打無失点と好投。「個人的に代表の雰囲気を味わえたことは凄い勉強になりましたし、一流選手の考え方を色々聞けたのでそれをシーズンに向けて活かせていけたらなと思います」。メジャーリーガーとして日本の優勝に大きく貢献したダルビッシュ有(36)や世界の二刀流・大谷翔平(28)から「変化球やウェイト場でウェイトメニューを見たり吸収できるものは吸収した」と貴重な時間を体験した。

WBCも全試合観戦。「大谷選手は『憧れるな』と言っていましたけど、WBCに出てみたいなという気持ちに僕もすごくなったので、目標にして頑張ろうかなと思っています」と、新たな夢もうまれた。

「1軍で何勝したいとかどれぐらい抑えたいとかそういう具体的な目標はあまり作っていなくて、本当に優勝したいというこの気持ちだけ。本当に叶うなら全部0で抑えたいという気持ちですけど、点をとられても最少失点でゲームを崩さないように毎試合投げたいなと思っています」。

結果を求める若き右腕が、完全復活を誓う。

■種市篤暉
1998年9月7日生まれ。183センチ、88キロ 。右投げ右打ち。八戸工大一高から2016年ドラフト6位で千葉ロッテマリーンズに入団。高卒2年目に1軍デビュー。翌2019年には中継ぎ投手として、初の開幕1軍入り。同年はシーズン途中で先発転向し8勝2敗、防御率3.24。2020年に右肘靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を経験。2022年に740日ぶりとなる1軍登板を果たす。2023年3月7日の侍ジャパン強化試合では、サポートメンバーとして日本代表にも選出。趣味はサウナ。