マイナンバーカードと健康保険証を一体にしたマイナ保険証を巡り、4月から医療機関に対し、オンライン資格確認システムの導入が義務化されます。ただ、その導入にはまだばらつきがあります。
一方、医療機関を利用する側では、従来の健康保険証を使う場合、受診料が引き上げられます。

記者 土江諒
「こちらの機器、マイナ保険証を読み取る機械なんですが、あすから医療機関などで設置が義務付けられます」

国は健康保険証を来年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化する方針で、4月からは医療機関に対しオンライン資格確認システムの導入が義務化されます。

記者 土江諒
「マイナカードを機械に置いて、顔認証を行って、後は簡単なアンケートに答えるだけで操作は完了です」

武本クリニック 武本祐院長
「やはり過去の健康診断ですとか、服薬状況、そのあたりが確認できることは、診療する上でも患者にもメリットがあります」

こうした中、4月からさらに変更となるのは受診料。

マイナ保険証を巡っては、国がマイナンバーカードの普及を目指す中、現在は従来の健康保険証とで受診料に差がついています。

これがさらに4月から12月までの期間限定で、健康保険証での受診料のみ上がります。その結果、初診の場合3割負担では、その差が12円に広がります。

武本クリニック 武本祐院長
「(マイナ保険証では)コスト面でも若干のメリットが受けられるのかなと」

一方で、義務化されたのにシステムの運用が開始できない、そんな事態が起きています。

阿部クリニック 阿部博章院長
「カードの読み取り機はすでに届いてはいますけど、通信用のコンピューターがまだ入っていなく、その設定が必要でそれが7月ごろになると説明を受けています」

厚生労働省によると、3月26日現在で、義務化対象施設でのシステムの申込数は99%なのに対し、導入準備が完了していない施設は24%となっています。

こちらのクリニックでは、去年9月ごろに申請の手続きを行いましたが、年が明けてからようやく連絡がきたといいます。

阿部クリニック 阿部博章院長
「全国の医療機関を一気にしようという話なので、当然のことながらマンパワーの問題と、もうひとつは昨今コンピューターの部品が足りないとかそういうこともあって間に合わない状況が起きていると思います」

国は申請をしていても整備が完了していない医療機関のため、半年間の猶予期間を設けましたが、医療現場からは不満も漏れます。

阿部クリニック 阿部博章院長
「ここ最近、コロナで補助金やいろいろな問題で医療機関はあたふたしていたが、そこにさらにマイナンバーカードの対応で神経を使わざるを得ないので非常に負担になる」

マイナ保険証、全ての医療機関で使うにはまだ時間がかかりそうです。