■MLB アスレチックス 2ー1 エンゼルス(日本時間31日、オークランド・コロシアム)
エンゼルス・大谷翔平(28)がメジャー開幕戦、敵地でのアスレチックス戦に“3番・投手”と史上初となる2年連続二刀流で先発出場。投げては6回93球を投げ10奪三振、打者では3打数1安打1四球と今季の初安打をマークしたがチームは逆転負けを喫した。
2年連続開幕投手は野茂英雄、田中将大、ダルビッシュ有に次いで日本人選手4人目となった大谷、2018年にメジャーデビュー戦で初打席初安打、昨季は史上初となる“規定打席&規定投球回”を達成した思い出の球場で今季初登板。
1回、2死走者なしで第1打席を迎えるとカウント3-2からの8球目、大きな変化のスライダーに空振り三振に倒れた。
すぐにマウンドへ向かうと今季1球目は131キロのスライダー、開幕戦で慎重に入ると先頭のT.ケンプ(31)にストレートの四球を与えた。嫌な形で走者を許したが2番・C.カイペル(25)の打球をファースト、B.デュルーリー(30)が鋭いゴロを好プレー、新加入の新戦力が2塁でアウトを奪った。味方のプレーに助けられた大谷は3番・J.ディアズ(32)には156キロのストレートで見逃し三振、4番・S.ブラウン(30)はライトフライ、ベンチに戻る際には首を大きくひねりながら戻った大谷、ベンチではバッテリーを組むL.オホッピー(23)と入念に話し合った。
2回裏のマウンドでは1死から6番・ローレアーノ(28)は137キロのスライダーで空振り三振、7番・J.ピーターソン(32)にはこのイニングから投げ始めた145キロのスプリットで空振り三振を奪った。リズムに乗ってきた大谷は3回裏はわずか6球で3者凡退に抑えた。
4回表には2番・Mトラウト(31)が四球で出塁し、無死一塁で迎えた第2打席、ピッチングでリズムをつくると打席も良くなり148キロのストレートを捉えてセンター前へ、今季初安打をマーク。トラウト・大谷でチャンスを広げたが後続が倒れ得点に結びつかなかった。
チャンスの後にはピンチあり、その裏、大谷は1死から3番・ディアズにこの試合初ヒットを許すと4番・ブラウンにはスプリットが落ちずレフトオーバーの2ベース。1死二、三塁のピンチを迎えた。犠牲フライも許したくない場面で5番・J.アギラ(32)にはストレート3球でカウント1-2に追い込むと最後はスプリットで空振り三振。6番・ローレアーノは162キロのストレートで空振り三振、力でねじ伏せアスレチックスに行きかけた流れを強引に引き戻し、大きなガッツポーズを見せてベンチに戻った。
0-0の5回、エンゼルスは1死三塁のチャンスを作り、9番・オホッピーがレフト前へ先制のタイムリー、大谷をリードしてきた23歳が大きな仕事をこなした。
先制点を貰った大谷は勝利投手の権利のかかる5回裏、先頭の7番・ピーターソンに153キロのストレートを弾き返されたがライト、新加入のH.レンフロー(31)が打球の落下点を見ないで背走キャッチするスーパープレー、大谷もマウンドで両手を挙げて驚きの表情を浮かべた。この後、2死一塁で1番・ケンプを迎えたがスプリットで空振り三振、5回まで毎回の8奪三振となった。
6回の第3打席はアスレチックス2人目、Z.ジャクソン(28)と対戦、上から投げ下ろす独特のフォームで大谷はカウント3-2から内角高め、151キロのストレートに空振り三振に倒れた。
今季から導入されているピッチャー側から使用できるピッチコム(バッテリー間のサイン伝達に使用される電子機器)やピッチクロック(ピッチャーがボールを受け取ってから、投球動作に入るまでの時間制限)でテンポの良くなった大谷は6回裏も先頭の2番・カイペルを空振り三振、5番・アギラを133キロのスライダーで空振り三振に打ち取りここでもガッツポーズを見せた。大谷は6回を投げ93球、被安打2、四球3、奪三振10、無失点でマウンドを降り、指名打者でゲームには出続けた。
1-0とエンゼルス1点リードで迎えた8回、2死二塁の場面で大谷の第4打席が回ってきたがアスレチックスベンチは申告敬遠、このチャンスに4番・A.レンドーン(32)は空振り三振に倒れた。
その裏、エンゼルスは3人目、WBCアメリカ代表のA.ループ(35)をマウンドへ送ったが、無死一塁で1番・ケンプにセンターオーバーのタイムリー2ベースを打たれ1-1の同点、大谷のメジャー初の開幕戦勝利投手が消えてしまった。さらに4人目、R.テペラ(35)が3番・ディアズにレフト前への勝ち越しタイムリーを浴びた。大谷は3打数1安打1四球、チームは逆転負けを喫し、開幕戦黒星スタートとなった。