福島県内各地で被害があった去年3月の福島県沖地震から「再出発」です。
地震で大きな被害があった福島市の酒蔵が、存続の危機を乗り越え、製造拠点を移して再出発することになり新たな一歩を踏み出しました。

金水晶酒造店・斎藤美幸代表「本当にたくさんの皆様のお力を頂戴して、ようやく、きょう新しい蔵の第一歩を踏み出すことができた」

酒づくりの新しい施設をつくるのは、福島市唯一の酒蔵「金水晶酒造店」です。福島市南部の松川町にある金水晶は、震度6弱の揺れがあった去年3月の地震で、建物の柱が傾き、機械も壊れ、全壊の判定を受けました。

その後、被害があったところを補強しながら酒づくりを続けてきましたが、製造拠点の移転を決意。同じ福島市西部の「四季の里」近くに製造拠点をつくることになり、28日、工事の安全を祈願する地鎮祭を行いました。

この場所の近くには、水質日本一の「荒川」があり、その伏流水を仕込み水として使うことになります。

新しい土地での再起を祈って、地鎮祭では蔵が誇る大吟醸酒を大地に捧げました。

金水晶酒造店・斎藤美幸代表「その土地土地にお酒があって、その土地の良さを伝えていると思う。ずっと昔からもこれからも福島の良さを伝え続けていきたいという思い」

新しい製造拠点では、日本酒とともにモモやリンゴなど福島の果物を使ったリキュールもつくることにしていて、次の酒造りが始まる今年9月末までに完成する予定です。