油症と結びつけるのが嫌で子どものことを言えなかった

『夢の化合物』の正体──
PCBは熱でさらに強毒のダイオキシン類に変わり、胎児にも移行する物質でした。

カネミ油症認定患者 渡部 道子さん:
「なんかね息子の小さい時のことを言うのが辛くって…。
みんなの話を聞けば聞く程辛いんですよ。あー同じなんだと思って。
みんなやっぱり抱えてるんだなと思って」

姫路市に住む渡部 道子さんは小学6年生の時、長崎県五島市で汚染油を食べて以来、深刻な体調不良が続いています。
食べてから17年後に心停止状態の男児を出産。
“病気を繰り返す息子” と “油症”を結びつけるのが嫌で、同じ被害者にも子どもがいることを隠してきました。


カネミ油症認定患者 渡部 道子さん:
「言えんかった。子どもの事を…。
私がこんなだから、虚弱体質で弱かったから、子供がこういう状態で生まれたと信じてたんで」