WBCで日本を14年ぶりの世界一に導いた、侍ジャパンの栗山英樹監督(61)が27日、日本記者クラブで会見した。

各球団のトップ選手たちをまとめ、短期間でチームをつくりあげた指揮官は「選手と話すときに真正面に行って近づいて真正面から話すってことやっちゃうんですけど、自分の思いは自分でしっかりと正面から攻めなきゃいけないというふうに思ってやってる」と語るように、選手と正面から向き合い続けた。

「僕らも若い頃、『今の若者は』って言われましたし、多分、江戸時代も『今の若者は』って同じように言われてきたんだというふうに思うんですね。こういうSNSの時代だったり、違うとは思いますけど、誠心誠意自分が思ってることを相手に正面からぶつかるっていう作業ができれば、時間がかかっても伝わるものは伝わるしっていうふうに僕はちょっと思っていて」と人心掌握術を語った栗山監督。時代や世代に関係なく「真正面からぶつかる」ことの大切さを語った。

平均年齢26.5歳とこれまでの大会で最も若い侍ジャパンとなった今大会。若い選手たちの指導方法については「僕の感覚ですけどいつも若い選手に言っているのは『これができるか、できないかな』っていうふうに『できるかできないか』と思った瞬間にアウトなので、決めるのはできるからやるんじゃなくて『やるって決めたらやる』、それは『やるかやらないか』『できるかできないか』っていう違いがすごくあるような気が僕は指導者をやらせてもらってて感じていた」と話し、東京学芸大学出身で小・中・高の教員免許を所持している監督ならではの指導方法も口にした。

これまでも「日本の野球のために日本のスポーツ界のために」と語ってきた栗山監督。最後は「プレッシャーはありましたけど、実はあんなに追い込まれて野球を一生懸命考えるというのは、人生でこれ以上幸せな瞬間はないなあと思いながら。準決勝、決勝を戦った瞬間もあって野球に感謝してますし、今回のジャパンのような選手たちが子供たちから必ず生まれてくると信じています。野球の為にこれから恩返し出来るように僕も全力で頑張っていきます」と話し、会見を締めた。