地価 「菊陽町周辺が大きく上昇」
3月24日、土地取引の目安となる地価が公表されました。
熊本県内ではTSMCの進出に伴い「菊陽町周辺が大きく上昇」しています。
県が進める半導体関連企業の誘致は順調に進むのでしょうか。

国が発表した、今年1月1日時点の土地の価格。
熊本県全体の変動率は2.0パーセントのプラスと6年連続の上昇です。
なかでも、住宅地・商業地ともに、熊本県内上昇率トップとなったのが菊陽町です。

記者「TSMCが進出する菊陽町の、ここ三里木駅前の地価は、商業地として県内で一番の上昇率となっています」

建設が進むTSMCの工場から、約5キロ離れた豊肥線の三里木(さんりぎ)駅前では、21.7パーセントと県内でトップの上昇率となり1平方メートルあたりの価格は、去年から1万3000円値上がりしました。

商業地の地価は隣接する合志市、大津町でも上昇していて、物流倉庫や工業用地などへの需要が急激に増えたことが要因とみられています。

この地価の上昇を企業側はどう捉えているのか
熊本県工業連合会 田中稔彦 会長「熊本に進出したいとおっしゃっている大手企業の中には、『思ったより熊本は土地が高いね』とか、『(土地を)探したいんだけどなかなか見つからない』という話も確かにあります」

TSMCの工場周辺の地価だけが上昇し続けることに懸念を示す田中会長ですが、地価の上昇は経済の活性化の象徴だともし、期待を膨らませています。
田中 会長「土地の価格が異様なかたちで上がって、これは経済の発展にもマイナスかもしれません」
田中 会長「(反面)これだけ土地(の価格)が上がっているということは、それだけ熊本の経済が活性化していることの証でもあるんですよね」

半導体関連企業の誘致を進め、シリコンアイランド九州の復活を目指す熊本県ですが、地価の上昇が続く中で製造業の裾野拡大につながるかが焦点です。

そんな中、企業の誘致を進める熊本県ですが進出を検討する企業から、地価上昇を懸念する声はないのか聞きました。
まず、影響はあるのか?の質問には・・・
「企業の投資判断に大なり小なりの影響は出るでしょうね」
価格が折り合わないとの話はありますか?と聞くと
「そんなに出ていない」とのことでしたが「価格が気になる企業には菊陽町から離れた場所を提案する」としています。

その上で担当者は「今は土地の確保が重要になっている。そこに熊本県としては注力している」とのことでした。