「もう昔から見てますからね」沿線の喫茶店も別れを惜しむ

 そんな103系、和田岬線に導入されたのは2001年のこと。走るのは兵庫駅~和田岬駅間の2.7km。所要時間はわずか4分です。運行は朝と夕方以降のみで、主に近くの企業で働く人たちを運んできました。

 22年間の別れを惜しむファンの思いを酌んでか、車内ではこんなアナウンスが流れていました。

 【車内アナウンス】
 「ただいまご乗車されております水色の103系列車は、3月18日をもちまして定期運行を終了いたします。1963年から3447両が製造され、東は仙台から西は福岡まで、全国各地で皆さまの足として活躍してまいりました。最後まで103系電車をご愛好いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」

 沿線で約50年続く喫茶店「チェリー」の店主は、生活の中にいつもブルーの103系があったといいます。

 (チェリー 店主)
 「もう昔から見てますからね、あのブルーの電車をね。あの水色はJRの“特別な水色”だと思っているんで」

 店内では自分だけの1枚をカメラにおさめようと、ファンが特等席を陣取り、一瞬のシャッターチャンスに思いを込めます。渾身の写真が撮れたようです。