全国から届いた「心」

それは「はがき一文字写経」でした。

お経の一文字などをはがきに書き、一口5000円で寺に納めるというもので、全国の2000人以上からはがきが届き再建のための総工費8200万円の一部として使われました。

特にこの文字を、と呼びかけた訳ではないにもかかわらず、多くの人が書いた文字がありました。それが「心」。

徳泉寺 早坂文明住職:
「そういう思いがつまったものがここにあって、この建物ができたのでなんとか報告をしたいと」

本尊を自宅で見つけた齋藤さんは、震災後、仮設住宅暮らしを経験しました。仮設出て住む場所を探すとき、自分たちの墓のことを考えたと言います。

齋藤順子さん:
「亡くなったあと自分が最後にもどるところといったらお寺。だからお墓のそばに戻ろうとなったので、寺がなくならないでよかった」
 

十三回忌の法要に訪れた人たちも、同じ思いでした。

法要に訪れた人:
「自分の先祖がここに眠ってるんだもの、心のふるさとですよ」
「お寺があるからこそ年に何回かみんなで会えるかもしれない、それがよりどころのひとつなのかもしれない。お寺があることによって」

あの日から12年。地域のよりどころとして徳泉寺はこの場所にあり続けます。

徳泉寺 早坂文明住職:
「これで終わりではないということは常に肝に銘じて、また明日は明日で供養事をする、自分の務めを果たしていくという気持ちを忘れないようにしたい」