『長周期地震動』は新潟に大きな被害も…?

新潟市の中心部や信濃川沿いには、『長周期地震動』の影響を受けやすいとされる高層ビルやマンションが立ち並びます。

新潟市を流れる信濃川沿いには高層ビルやマンションが多い

新潟大学災害・復興科学研究所の卜部厚志教授は、新潟特有の地盤の柔らかさが被害を拡大させる恐れがあると懸念しています。

【新潟大学 災害・復興科学研究所  卜部厚志教授】
「普通の揺れの成分であっても、1回入ってくると、その中で『プルプルプルプル』と震えていって、周りの地域では地震動が収まっているのに、新潟平野の中だけ、ずっとゆらゆらしているという、『地震が長くなる』という現象は起きます」

マンションの住民からは地震への不安の声が聞こえてきました。

【マンションの住民】
「地震への不安はありますよ、やっぱり。やっぱり、どこかにあります」

東日本大震災が発生した際に、首都圏の高層ビルで大きな揺れを経験した方のお話も聞くことができました。

【首都圏の高層ビルで被災した男性】
「3人くらい掛けられるテーブルがあるじゃないですか。キャスターがついている。『下に隠れろ』と会議中に部下に指示したら、それごと持っていかれて、すごく怖い体験をしました。席に戻ったら、自分のパソコンの本体が飛んでいました」

防災科学技術研究所が行った長周期地震動の揺れの実験映像です。オフィスでは棚が倒れフロアをコピー機が暴れ回ります。リビングでは食器棚の扉が開き、そのまま転倒。冷蔵庫が動き回ります。

【新潟大学 災害・復興科学研究所 卜部厚志教授】
「建物自体が2mとか、そういうレベルで揺れて、中の家具が動いてきて挟まれてしまうとか、けがをするとか。そこが一番懸念される」

また、卜部教授は、食糧など物資を蓄えておくのも重要だと話します。

【新潟大学 災害・復興科学研究所 卜部厚志教授】
「地震がある程度大きければ、いろんな人が急に困るので、市や県も物の備蓄はあるが、起こってすぐに倉庫から出して皆さんに分配することは、現実的には不可能なので」

新潟市中央区には敷地内に備蓄倉庫を設置し、非常用のアルファ米や水など住民のおよそ3日分の食糧を準備する高層マンションも。このように備蓄倉庫を備えるマンションは増えているということです。