建物はどのように揺れるのか?

東北大学の実験装置で体験しました。

2003年に北海道で起きたマグニチュード8.0の十勝沖地震で、50階建ての建物の最上階で起きる揺れを10分の1の大きさで再現したものです。

【記者リポート】
「船の上にいるようです。波に揺られているような揺れが起きています」

実際はこの10倍の揺れが起きることになります。長周期地震動のゆっくりとした揺れは高層ビルやマンションのほか、石油タンクなどの大きな建造物も影響を受けやすいとされています。

新潟県でも過去に『長周期地震動』の影響が?!

五十子教授は、過去に新潟県内で起きた地震で、この長周期地震動が大きな被害をもたらしていた可能性があると指摘します。

【東北大学 災害科学国際研究所 五十子幸樹教授】
「新潟で石油タンクの油が漏れてくるとか、それによって火災が起こっていて、後から考えてみると長周期地震動が絡んでいたのではという指摘もある」

1964年の新潟地震では石油コンビナートで火災が

1964年の『新潟地震』で起きた石油コンビナート火災です。新潟市内の3か所の製油所で火災が発生し、火は2週間以上燃え続けました。

火は2週間以上も燃え続けた

長周期地震動が、石油タンクの中の油を揺らす『スロッシング』と呼ばれる現象を起こし、火災に繋がった可能性があるということです。

1983年の日本海中部沖地震でも石油タンクから油漏れが

また、1983年に秋田県沖で発生した日本海中部沖地震でも新潟東港の石油タンクから油が漏れ出る被害がありました。この揺れも『長周期地震動』だった可能性が指摘されています。

【永野郁夫所長(当時)】
「だいぶゆっくりした周期の長い地震で、油の表面が上下に振動して…」