SVB破綻の背景は?金利と債券の関係

熊崎キャスター:
まずはアメリカの状況です。FRB(連邦準備制度理事会)は2022年から物価高を抑えるため急速な利上げに踏み切っています。「金利」と「債券価格」この2つをキーワードとして注目していきます。

例えば「金利」が下がる場合、シーソーの関係で見ると「債券価格」が上がります。急速な利上げ、金利が上がる場合は債券価格が下がる。

シリコンバレーバンクは債券保有の割合が他の銀行より高くなっていました。ですから、金利が上がって、債券価格が下がるとなると、損失はそれだけ多くなる。8日発表の時点で約2400億円の損失だったということです。

この状況を踏まえ、アメリカの格付け会社は、シリコンバレーバンクを格下げしました。すると、お金を預けていた皆さんは"ひょっとしたら経営が危ないんじゃないか"と思い、預金の引き出しが相次ぎました。1日で5兆円を超える額が引き落とされ、経営破綻してしまいました。

こうしたことを踏まえ、財務省・FRBなど共同声明で、預金を全額保護すると発表し、バイデン大統領も「みなさんの預金は安全です」と異例の発表をしました。

ホランキャスター:
もっと大きな銀行も経営破綻の危機になると、アメリカ政府としてはどこまで保護できるのかという部分もあると思うんですが。

星氏:
全部の銀行を保護するというのは、実際にはできないです。今、危機が始まっている段階、火事で言えば小さい段階で消火しようということです。これから広がらないようにして、安心ですよという心理を作ろうという作戦だと思います。

日比麻音子キャスター:
利上げを続ける方針ではある訳で、預金者が慌てて全て引き出すことがないように心理的に食い止めるということですか?

星氏:
とりあえず大丈夫ですよと言えば、取り付け騒ぎが起きませんから。これは世界に拡大する可能性があるので、ここで消火しようということです。

ホランキャスター:
利上げが今回のような副作用をもたらしたということですが、FRBはこれからも金利を上げていくという見通しです。これだけ銀行が破綻するようなことがあれば、利上げのペースを落とす、あるいは止める可能性はありますか。

星氏:
来週、会合が予定されていて0.5%の利上げと言われていたんですが、もしかすると利上げを見送るかもしれませんね。