中国で名前を無断使用 20数年前に持ち出されたものか

愛媛県・中村時広知事
「確認されているのは愛媛38号という品種だそうなんですけれど、愛媛県では作っていません。名前だけは愛媛38号というのが使われているのが確認されています」

愛媛県の中村知事も、2023年1月の記者会見で「愛媛38号」について言及。品種改良までは行ったものの、商品化には至らなかった愛媛のミカンだと指摘したのです。

では存在しないはずの「愛媛38号」が、なぜ中国で栽培されているのでしょうか?

愛媛県・中村時広知事
「今からもう二十数年前に(中国から)視察団が来て、その時に(持ち出した)という可能性はあると思います」

実際に中国のサイトで調べると、次々と「愛媛38号」というミカンが検索にヒットします。もちろんこれらは全て、無断で名前が使用されているものです。さらに調べを進めると、意外な場所で売られていることが分かりました。

中国産「愛媛38号」はカナダでも販売

ツイッターに投稿されたカナダのスーパーマーケットの画像には、段ボールの箱に「一家の健康」、「幸運」などの文字と共に「愛媛38号」と書かれています。

投稿者は「柑橘いろいろあるけど、愛媛38号ってなんなの?」とコメント。中国産の「愛媛38号」がいま、カナダで売られているというのです。

カナダに在住して9年、野菜ソムリエプロの肩書きを持つHiroさんは、こう話します。

野菜ソムリエプロのHiroさん
「初めて見たとき、お!愛媛!!愛媛県といえばミカンじゃないですか、やっぱり。だからすごいやった!!と思ってよく見たら中国産だったっていう」

Hiroさんはこの中国産のミカンを2022年12月ごろから、スーパーで見かけるようになったというのです。

野菜ソムリエプロのHiroさん
「中国産のミカンって結構箱で売ってるんですけど、その箱がずらっと積み重ねてあってタワー状にして売ってたりもしたり。日本産は残念ですけど、ちょっと端の方にちょこんと置いてあるとか、そんなイメージですかね」