東日本大震災の発生から12年。津波は沿岸地域を高潮や塩害などから守ってきた「海岸防災林」にも壊滅的な被害をもたらしました。この林の再生に福岡市出身の大学生が取り組んでいます。

◆九州でクロマツ保全活動を学ぶ東北大生

「この松原が本当になくなったらどうなってしまうか。強い潮風から、私たちのたんぼや畑、暮らしを守るものがなくなってしまう」

「日本三大松原」のひとつ、佐賀県唐津市の「虹の松原」でクロマツの保全活動について話を聞く女性たち。そのうちの1人、柚原結女さんは東北大学の1年生です。福岡市出身の柚原さんは2022年から仙台市内に暮らし、隣接する宮城県名取市の「海岸防災林」の再生に取り組んでいます。

12年前、東日本大震災による津波で1000人近くが犠牲になった名取市では、沿岸地域を高潮や塩害などから守ってきた「海岸防災林」も壊滅的な打撃を受けました。

東北大学1年 柚原結女さん(福岡市出身)「松林の大切さがどうしたら伝わるのかな、と感じました」

生活の拠点を東北に移し、「防災の大切さを深く考えるようになった」と言う柚原さん。自分に何ができるのかを考え、名取市の沿岸部全域に37万本のクロマツを植え「海岸防災林」の再生に取り組む団体に参加することを決めました。