「岡山現象」全国から避難希望者が殺到した岡山県

単身で岡山に来て、身寄りがなかった高木さん。そこで出会ったのが、避難者を支援するNPO団体「ほっと岡山」でした。当時、「災害が少ない」とされる岡山県には、全国から避難の希望が殺到し「岡山現象」とも呼ばれました。

現在も、県内には西日本最多の844人の避難者が暮らしていて、ほっと岡山では、長年、避難者を繋ぐ様々な企画を行ってきました。

(ほっと岡山 服部育代代表理事)「原発事故という事象が非常に語りにくい、社会の中でどう捉えられるのかという不安を抱えているので」

「人には言えない」移住先での震災の記憶

高木さんも避難したばかりのころは、辛い記憶を伝えられず、心の中で押し殺していたといいます。

(メロン農家 髙木俊治さん)「自分の中だけで消化していくしかなかったです。震災の事を考えないわけではないが、人には言えない」

ただ、同じ境遇の人々との出会いが、一人ではないことを気付かせてくれました。

(メロン農家 髙木俊治さん)「全国の避難者の活動を教えてもらったり、ビデオで見せてもらったりして、『僕以外にもいるんだ』と歯を食いしばって頑張っている人がいるじゃないか、自分一人だけではない」