「結婚出来て、家も持てて、子どもができるなんて」

岡山にやってきて9年。多くの人に支えられ、仕事も軌道に乗り、地元出身で農業を志していた妻と出会ったといいます。

(髙木清美さん)「傷がもしあるとしたら、生活の中で癒えていけばいいかなと」

退職後に被災し、「普通の人生を送ることはできない」と思いこんでいた高木さん。

(メロン農家 髙木俊治さん)「まさか結婚出来て、家も持てて、子どもができるなんて考えてもいなかったです」

これからも、この場所で人生を歩み続けたいと話します。

(メロン農家 髙木俊治さん)「いろんな友達もできたし、身内もできて、岡山に来て本当によかったと思います、もうここに骨を埋めたい」

震災から12年。今も岡山で800人を超える人々が、過去と向き合いながら、新しい人生を生きています。

【解説】復興庁の発表によりますと、去年(2022年)12月時点で、全国の避難者数は約3万1000人ということです。

このうち844人が岡山県に避難していて、愛知県より西のエリアで最も多くなっています。2013年以降、岡山県に避難の希望が相次いだことや他の地域と比べても避難者数の減少が緩やかなことから、「岡山現象」と呼ばれています。

なぜ、岡山なのか?なぜ、他地域より避難者の減少が緩やかなのか?「ほっと岡山」の服部代表によるとその理由として挙げられるのが、「原発の影響が少ない地域」とされていること、「コミュニティの場となる支援団体があり続けること」だとしています。