「食品ロス」は世界的にも深刻な問題になっています。
ある女性農家の取り組み、小さな一歩ですが、大きなヒントが隠れていそうです。


2月下旬の夜、大勢の人が行き交う松本城の公園に、1台の小さなキッチンカーを見つけました。
何を売っているかというと・・・

(古川晃代さん)「リンゴあめとリンゴのポタージュをメインに冬場は販売しています」


キッチンカー「カリフォルニア・ベアーズ」の古川晃代(ふるかわ・てるよ)さん。
リンゴの名産地として知られる安曇野市三郷小倉のリンゴ農家です。


古川さんが商品に使っているのは『特別なリンゴ』。

(古川さん)「ちょっと小さすぎて規格外になっちゃう。ちょうどリンゴあめにいいサイズなのでコレを使ってます」


傷が付いたり、サイズが小さな規格外のリンゴを自らスイーツやスープに生まれ変わらせて提供しています。

古川さんはリンゴを栽培する「塚田農園」の3代目。
家族で55アールの畑に「ふじ」や「つがる」を育て収穫しています。

しかし、大切に育てていても、毎年一定量、規格外のリンゴが出てしまいます。

(古川さん)「大体、収穫した量の1割程度が規格外ですね。台風の被害が大きかったりするとまた傷が増えちゃいますね」

自宅には出荷できなかったリンゴがたくさん残っていました。


「すごく小さくて商品にならなかったり、(遅霜の影響で)さびがすごくて商品にならなかったり、枝が刺さってしまって傷になったりと」


傷リンゴはこれまで主にジュースなどの加工用として使っていましたが、廃棄する量も多かったといいます。

(古川さん)「3月、4月、5月とかになってくるとボケちゃったり腐ってきちゃって廃棄することもありました。全て無駄なくロスなく使えるものは何かなと考えたときに、スムージーだったら冷凍して使えると」