北朝鮮への対応を念頭に、アメリカ軍の戦略爆撃機が参加した米韓合同の訓練が6日、再び実施されました。こうした中、金正恩総書記の妹・与正氏は7日、米韓をけん制する談話を発表しています。

韓国国防省によりますと、合同訓練は6日、朝鮮半島西側の黄海上空で行われ、アメリカ軍の戦略爆撃機「B-52H」と韓国空軍の戦闘機が参加しました。

アメリカと韓国は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を抑止するため、核兵器搭載も可能な爆撃機といった「戦略資産」を積極的に展開することにしていて、3日にも同様の訓練を実施したばかりです。

一方、金正恩総書記の妹で朝鮮労働党副部長の与正氏は7日、国営メディアを通じ、談話を発表。

米韓合同訓練を念頭に「我々が対応せざるを得ない条件を作っている」としたうえで、動向を注視していることを強調しました。与正氏は先月、太平洋に向けてICBM=大陸間弾道ミサイルを発射する可能性に言及。

これに対し、アメリカ太平洋軍司令官が発射された場合、撃墜する考えを韓国政府側に伝えたと韓国紙「朝鮮日報」は報じていますが、与正氏は今回の談話で「戦略兵器の実験に迎撃のような軍事的対応が伴う場合、我が国に対する明白な宣戦布告と見なす」とけん制しています。

韓国では13日から11日間、北朝鮮の核・ミサイルの脅威などを反映したシナリオに基づき、米韓合同演習が行われる予定で、軍事的緊張がさらに高まることが予想されます。