医師解説 今年“花粉症デビュー”した子どもが多いワケ

日比キャスター:
2023年は、とにかく子どもの花粉症が増えているそうなんですが、実際にクリニックではいかがでしょうか?

いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:
増えていますね。お子さんの花粉症の患者さん、特にこの1、2週間は2~3倍ぐらいにはなってると思いますね。

日比キャスター:
なぜ今年、子どもの花粉症が増えているのでしょうか?

伊藤院長:
2023年はやはり花粉の飛散の量が通常よりもかなり多いということが一つはあると思います。

日比キャスター:
新型コロナウイルスの影響というのもあるんでしょうか?

伊藤院長:
新型コロナ、それからインフルエンザも流行りました。マスクで感染予防をしていましたので体全体、免疫系統が少しナイーブになっているということもあるのではないかと思います。

そこに、大量の花粉が来ましたので、一気に症状が出ると。今までは、そこまで異物と判断しなかった免疫系統が今年は大量に来た花粉に対して反応をしだすという機会になったんではないかと思います。

井上キャスター:
今まで聞いてたのは、花粉に多くさらされると、体内に溜まるので、コップ理論と呼ばれるものかなと思ってたんです。あれはもう全く考えなくても良いものなんですか?花粉に晒されないようにマスクをしておくといいのかなとおもっていたのですが。

伊藤院長:
ある程度、花粉にさらされた量が関係してるとは思うんですけど、コップ理論だけだとどうしても行き詰まると。やはり感染に対する免疫力と、花粉に対するアレルギー反応のバランスが崩れたときに発症する“シーソー理論”というものが最近は主に支持されていると思います。

日比キャスター:
発症は何歳からなのか?伊藤先生によりますと、3歳ごろから増え始めるということですがなぜなのでしょうか?

伊藤院長:
元々は5歳からというのが多かったんですけれども、段々、免疫系統がナイーブになって、例えば怪我をして、ばい菌にさらされる機会が減ったり、コロナの感染対策で、ウイルスや、ばい菌にさらされる機会が減ったことによって、免疫系統が敏感になっています。

3歳未満はどうかというと、まだ免疫があまり強く反応しない世代ですからある程度、花粉にさらされても、まだそこまで敏感に反応しない。
しかし、最近少しずつ低年齢化しているということも見逃せない点だと思います。

子どもが花粉症かも… 受診のタイミングは?

日比キャスター:
0歳と2歳の親御さんにお話聞いてみました。

0歳・2歳の親
「(子どもが)くしゃみするが…病院に行くべきかどうか迷う」

受診のタイミングについて先生に伺ってみたところ…

・連続でくしゃみをしている場合
・鼻をかむ回数
1日2~3回程度なら様子見、10回以上は花粉症か、ということです。

伊藤院長:
例えば寒暖差でも思わずくしゃみをするということがありますので2、3回くしゃみをしたからすぐ花粉症ということはないと思いますけれども、10回、20回と連続的に、しかもこの季節に鼻をかむ、くしゃみをするということがあれば花粉症を疑ってみてもいいんではないかと思います。

井上キャスター:
ここ最近、国民病とも言えるぐらい花粉症が増えていて、これは別に日本人だけではないんですか?世界でも花粉はあると聞きますけど。

伊藤院長:
パキスタンから日本に来て7年という患者さんがいましたけれども、パキスタンでは、花粉症は一般的ではない、稀だと言ってました。

やはり、日本のスギ花粉の多さが大きいのではないかと思います。