西日本豪雨からの復興補助金の不正受給事件で、愛媛県は、西予市の紙加工品メーカーに交付した補助金などおよそ7700万円の請求権を放棄することを決めました。

愛媛県が補助金の返還を求めていたのは、西予市宇和町皆田の宇和特紙です。

ウェットティッシュなどの製造を手掛けていた宇和特紙は、2018年の西日本豪雨で被災し、機械を購入したと見せかける書類を偽造するなど2回にわたりうその申請を行い、県の復興補助金およそ6700万円をだまし取ったとして元社長ら3人が逮捕され、詐欺の罪で起訴されています。

県は去年8月に警察に被害届を提出し補助金の返還を命じていましたが、その後、宇和特紙が提出した再生計画案に基づき、返還金や延滞金などの請求権を放棄することを決めました。

これにより県は、補助金に延滞金などを合わせたおよそ7700万円を回収することができなくなります。

宇和特紙はおととし9月から民事再生手続きが進められていて、今後、会社は清算される見込みだということです。