「朝型勤務」で出生率大幅↑働き方改革が結果につながる

一方、働き方改革が出生率の飛躍的アップに繋がった企業も。

伊藤忠商事人事・総務部米田栞さん「当社の働き方のベースが『朝型勤務制度』で現在は朝型フレックスタイム制度になっています」

総合商社の伊藤忠商事が10年前から導入している朝型勤務。午前5時から8時までに仕事をスタートする代わりに午後8時以降の残業を原則禁止にするというもの。また社員の都合に合わせ、午後3時以降に仕事を切り上げることも可能です。さらに子どもを預ける託児所を設置するなど、働く環境を見直したことで育児に割く時間が増えるなど、結果的に女性社員の出生率が2010年に比べ倍増したといいます。

伊藤忠商事人事・総務部米田栞さん「引き続き全社員が能力を発揮できる環境を作っていくというところに努めていきます」

上村キャスター:
岡山県奈義町と伊藤忠商事の取り組みを改めて見ていきましょう。

▼出生率が全国平均の2倍以上"奇跡のまち"岡山県奈義町(3月1日時点)
・人口:5751人
・世帯数:2533世帯
・面積:69.54平方キロメートル

▼「奈義町子育て応援宣言」
・子どもを望む世帯
→不妊治療助成金:年間20万円
→出産祝い金:1人10万円

・育児支援
→いつでも誰でも利用できる子育てサポートなぎチャイルドホーム:一時預かり1時間300円

▼働き方改革で"出生率もアップ"大手総合商社伊藤忠商事

・社内出生率【2010年0.94】→【2021年1.97】

・2013年導入朝型勤務が"子育て支援"に繋がる
→午前5時~8時に出勤可能
→朝食3品無料

伊藤忠社員海老原瑞貴さん「(朝型勤務は)電車が空いているので子連れでも安心。(朝食3品無料は)子どもの支度でばたついて朝食を食べる時間がないので助かる」

子どもがいるママさんだけに限らず、全社員対象なんですが、それが結局、出生率アップに繋がったということです。

井上キャスター:
地域や民間がこれだけ柔軟になっているなかで、永田町だけが取り残されている感じがします。

萩谷麻衣子弁護士:
出生率を上げようと思ったらお金をかけて制度を作らなきゃだめだと思います。国は絶対的にかけるお金が少ない。子ども手当なんていうことでばらまかないで、例えば保育園、幼稚園から大学まで無償にするとか、無償にできないなら一部を負担で、多くを無償にするとか抜本的な制度を変えていかないとだめだと思います。

井上キャスター:
根底を変えていただきたいですね。あとは保育士の待遇改善もそうですし、保育所も増やさなければならない。産めと言われても産める環境にないんです。本当にどこまで声が伝わっているのでしょうか。