少子化に歯止めがかかりません。去年1年間に生まれた赤ちゃんの数が初めて80万人を下回りました。その背景には、「2人目の壁」があるようです。
神奈川県内に住む会社員の佐藤さん(仮名・36)。仕事と子育てを両立しながら、夫(37)と5歳の長男の家族3人で充実した毎日を過ごしています。
もともと、沢山の子どもに囲まれる生活を夢見ていましたが、今は2人目以降の出産に“ためらい”があるといいます。
佐藤さん(仮名)
「子どももう1人作ろうとなったときに、すぐ授かれるのか。(不妊)治療とかをするとなると自分の体の負担も出たり、物理的な時間の拘束もありますし、費用面みたいなところもあります」
夫婦が経済的な理由などで2人目以降の出産を諦める、いわゆる「2人目の壁」。
国の調査では、希望する人数の子どもがいない夫婦に理由を聞くと、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が最も多く、全体の52.6%に上りました。
佐藤さん(仮名)
「大学の費用ってところをフォーカスをして、そこに向けてお金を貯めるっていうことがあると思うんですけど、2人いるとなると、そこの教育費の捻出とかどうするんだっけみたいなところは考えなくちゃいけない」
去年1年間に生まれた子どもの数は、過去最少となる79万9728人。
国が2017年に公表した予測では80万人を下回るのは2033年と推計していて、想定を上回るペースで少子化が進んでいます。
専門家は、少子化問題の解決には「『将来の支出』を心配する家庭への支援に踏み込むべき」と指摘しています。
少子化問題に詳しい 中央大学 山田昌弘教授
「今のお金というよりも『将来』にかかるお金の方が心配。そっちの方にシフトするすべき。(政府は少子化対策に)お金がかからないものをいろいろ並べているだけで、一番若い人たちが心配する子どもの将来の高等教育の費用について触れられてない」
佐藤さん(仮名)
「教育費ってところが一番大きいのかなと思ってまして、(2人目は)単純にかける2倍になるので、将来への不安というのが大きい」
少子化を食い止めるため、子育て世代の不安にどう寄り添えるかが、鍵を握っています。
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