中国の外交トップ・王毅氏とプーチン大統領の『アンバランス会談』
佐々木正明 大和大学教授: はい。3月18日のイベントは2014年から行われているイベントで祝祭色が強く、昨年もその域を出なかったんですが、今回の2月22日のイベントは治安部隊とか兵士に感謝する、そのための集会だったんです。プーチン大統領自身も「兵士は勇敢に戦っている」という文言をちりばめたりとか、「勝利は私達のために」みたいな発言もふんだんに盛り込まれておりましたので、ウクライナ侵攻で戦っている兵士を称えるイベント。
前日の年次教書演説は国家のエリートのために向けられたイベントですけども、このイベントは全国中継されまして、一般人にもウクライナ侵攻を正当化するというようなイベントだったのではないかなと思います。
―――プーチン大統領は中国の外交トップ、王毅共産党政治局員と会談をしました。プーチンさんは国のトップ、王毅さんは外交トップですから、アンバランスな会談にも見えるんですけれども。
はい。王毅さんは国家主席ではないですよね。ただ習近平氏の名代としてロシアを訪問している。おそらく重要な説明があったんではないか。ということでプーチン氏が会った。その前にラブロフ外相、パトロシェフ安全保障会議書記にも会っていますので、最後にプーチン大統領と会ったという演出が取られてるんですね。で写真を見ますと、パトロシェフ氏とラブロフ氏が一緒にいるというのがポイントなんですね。
これはもうロシアで報じられているんですけども、この春、習近平氏がモスクワ訪問するというふうに報道されています。そして24日に、習近平氏が和平案の提案を北京からするというふうに言われており、おそらく王毅氏は、習近平氏の和平案の内容についてプーチン氏に語り、外交面、安全保障面のアドバイスをラブロフ氏とパトロシェフ氏から助言をいただくためにそばに置いたんではないか、そして一緒に聞くことによって今後対応をとりやすいということで、2人を呼んだんではないかなというふうに私は感じています。
―――和平案をプーチン大統領が受け入れる可能性があるんですか。














