―――ロシアで20万人規模の「愛国集会」が開かれました。著名歌手が登場して「歌があって、兵士のインタビューがあって、歌」というパッケージが何度も繰り返され、十分に会場が温まったところでプーチン大統領が出て演説をしました。佐々木教授、「盛り上げ役には報酬」という話もありましたが、ある程度、動員がかけられたというところでしょうか。

佐々木正明 大和大学教授: 事実はちょっとわかりませんけども、ロシア人に聞きますと、やはり動員がかかったんではないかと。エキストラには500ルーブル(=900円)が支払われたという報道もあります。ただ当日はマイナス15度だったんです、その中で1時間半繰り広げられたイベントで、どちらかというと兵士が主役といったような感じもいたしました。負傷兵が出てきて、部隊に配属されている兵士が「我々は勝つ」とか「ウクライナ人は民間人を殺している」とか、そういったような発言も舞台上から発せられておりました。

―――複数のアーティストがパフォーマンスするシーンもありましたが。

 国民的歌手、ポップスからアカペラ歌手まで出たんですけども、ロシアの芸能界では既にプーチンにつくか、そうではないか、っていうのははっきりしてるんです。ですからここに出たのはプーチン政権を支持するアーティストが出たということだと思います。途中、少年少女合唱団が出たんですけども、そこでも兵士の帰還をとても喜ぶとか、そういった歌声もありましたし、ウクライナ南部マリウポリで救出された少女が出てきて「ロシア人に感謝します」というような演出もありました。

―――実は去年3月18日にはクリミア半島併合8周年イベントと題して、同じようなイベントが行われているんですね。このときは、「プーチン大統領が着ているダウンジャケットが160万円のものじゃないか、あれだけ西側諸国を批判してイタリア製のダウンを着るのか。」みたいな報じられ方をしていました。同じ会場、同じ規模で行われた二つのイベントに変化はあったのでしょうか。