街の安全を守る「祇園・木屋町特別警察隊」

 こうした状況に警察も警戒を強めている。取り締まりにあたるのは木屋町エリアの犯罪抑止を目的に発足された「祇園・木屋町特別警察隊」。取材班は年末のパトロールに密着した。
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 (祇園・木屋町特別警察隊 東條邦彦巡査(34))
 「コロナの緊急事態宣言の時はやっぱり(人が)少なかったですね。それは明らかに違いますね。今は解除されたので普段の木屋町に戻ったみたいな感じはありますね」

 隊員たちは繁華街を練り歩き、異常が無いか目を光らせる。
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 (警察官)「お兄さんすみません。年齢確認よろしいですか?」
  (少年)「17歳です」
 (警察官)「17歳か」

 タバコをくわえた少年。犯罪につながる芽を未然に摘み取るのも彼らの仕事だ。

 (警察官)「もうこれ捨てといてな」
  (少年)「わかりました」
 (警察官)「歩きたばこ、当然あかんし」
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 取材班が密着を始めて8時間。隊員たちの動きが突然慌ただしくなった。居酒屋で「若い男性客が店員に殴りかかった」と通報が入ったのだ。

 (警察官)「手押すな!やめろ!あ!ちょっとちょっと!押すな!落ち着け!お前ら押すな!」
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 店の外に客を連れ出してなだめようとするも、今度は客同士で口論が始まった。

 (男性)「お前にやられても俺は我慢してんねん。考えてみ、俺我慢するやつか?お前我慢せえや!」
 (もう一人の男性)「俺も我慢しとんねん」
 (男性)「お前のために我慢してんや」
 (もう一人の男性)「俺もお前のために我慢してんねん」
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 さらに若い男性が隊員につかみかかってきた。興奮は収まらない。

 (警察官)「だから押すなって!押さんといて」
  (男性)「組対(暴力団担当)でもなんでも呼んで来い。おい、お前ら。相手がちゃうねん、レベルがちゃうねん、お前らとは」

 隊員たちは終始冷静に対応し、けが人を出すことなく事態を収めた。
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 (祇園・木屋町特別警察隊 東條邦彦巡査)
 「(木屋町は)けんかとか多いんですけど、やるしかないなという感じですかね。京都の人とかが飲みに来ても楽しく安全に帰れるような街にしたいです」