「寒暖差疲労」が出る温度差とその症状

久手堅院長の言う「寒暖差」というのは、次の3つです。

1 一日の中の気温差
2 一週間の日々の気温差
3 室内外の温度差

一般的には、寒暖差疲労は「5℃以上の差があると出る」と言われているのですが、実際の寒暖差疲労の患者さんを診ていると、目安は7℃だと思うということ。7℃以上の寒暖差があると、辛いという患者さんが増えると感じているそうです。

寒暖差疲労の症状として多いのは、「全身倦怠感」「だるさ」「冷えの症状」「四肢末端の冷え」「内蔵の冷えによる胃腸の不調」「頭痛」「首肩こり」「メンタルの不調」そして「喘息」の症状などが出る人もいるのだそう。症状は多岐に渡りますね。

寒暖差疲労は「自津神経の疲れ」

――とてもつらそうですが、どうして寒暖差で不調が出るのでしょう?

せたがや内科神経内科クリニック 久手堅司院長
「人間は恒温動物なので、一定の体温に調整をしないといけないんです。それをしてるのが「自律神経」っていうシステムで、寒暖差に対して自動で調整を図ってくれるんです。寒暖差があると、その都度その都度、体温を合わせていかないといけないので、その調整をする自律神経が乱れてしまって、様々な不調が出る、というわけです。」

――寒暖差が小さくなれば大丈夫になるのでしょうか?

せたがや内科神経内科クリニック 久手堅司院長
「ところがそこが難しくて、寒暖差疲労って、疲労が蓄積していくので、それによって自律神経もまた乱れていくので、悪化していくと、普通の温度差でも慢性的に不調が出るようになっちゃうんですよ。」

疲労が蓄積されたままリセットされないと、小さめの寒暖差でも不調が出るようになってしまう。ここが注意!です。

寒暖差疲労の対策は

この寒暖差疲労に対して自分でできる対策としては、基本的には冷え対策です。

・細かく体温調整ができるように、脱ぎ着で気温に対応できる洋服を選ぶ。

・首、手首、足首を冷やさない。

・冷えると内蔵が不調になるので、ぬるいお湯に首まで浸かって、深部体温を上げる。

あとはよく寝る、ですが、そのコツも教えて頂きました。上にある「深部体温」が、お風呂から出た後、ゆっくり90分くらいかけて下がってきたタイミングが、副交感神経にスイッチが移りやすい時、つまり、眠りやすくなる時!

いいタイミングで寝ると質の良い睡眠が取れるので、寒暖差疲労による不調も回復しやすくなりますよ、ということでした。

寒暖差疲労チェックシート

寒暖差疲労かな?という不調を感じたら、こちらの病院のホームページでご紹介している、「寒暖差チェックシート」なども参考にしてみて下さい。

自分できる対策で、改善されることも充分期待できますが、対策をしても辛いときはやはり病院へ。冷えに強い漢方の先生や、内科の先生はもちろん、女性だと婦人科の先生で冷えに強い先生にかかるのがいいですよ、ということでした。

(TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」取材・レポート:近堂かおり)