◆手作りジャムはすぐ完売 

この日、収穫したばかりのイチゴを持って訪れたのは、田川市役所です。ロシアによるウクライナ侵攻からまもなく1年。遠く離れた田川市で避難生活を続けるエカテリーナさんの姿を通して、ウクライナへ思いを寄せてもらおうとイチゴの出張販売を計画しました。

購入した人「おいしそうだったので買いました。やっぱり大変だと思うので、こういうところで買ったりしたいなと思いました」「仕事している間は嫌なこと忘れちゃうので、そうなれればいいなと」「やっぱり複雑だと思いますね。向こうに家族がおられるというのを聞いていますので、胸が痛みます。支援も込めて買いました。愛情がこもっていると思う」

市役所での出張販売は、持ってきた100パックがあっという間に売り切れました。「日本に来て、笑顔が増えた」と話すエカテリーナさん。ウクライナに残る夫と両親に思いをはせない日はありません。

エカテリーナさん「戦争が激しくなったら、夫も戦争にいかないといけない。それが今一番怖い」

◆日本語もしゃべり出した4歳の娘

娘のアナスタシアちゃんも、小さな体で一生懸命環境の変化を受け止めています。友達と遊ぶアナスタシアちゃんからは、笑い声とともに時折日本語も聞こえてきます。

おひさま保育園保育士 中本絵梨香さん「最初来た時は、パンをアナスちゃん用に用意していたんですけど、今はご飯も味噌汁も食べるようになって、みんなと同じ給食を食べています。さみしい思いをさせないように、私たちが母親になった気分で接しています」

日に日に成長していくアナスタシアちゃんの姿を、祖国で暮らす夫は見ることができません。

エカテリーナさん「夫はいつもアナスタシアの様子を聞いてきます。心配している。子供は大きくなるのが速いから。1年くらいアナスタシアに会えていなくて、さびしがっています」