かわいいけど・・・外来種です

2月22日は「ネコの日」です。

書店に写真集が、雑貨店ではネコのグッズが並ぶなど、街中いたるところでその愛らしい姿を目にするかと思います。

港にたむろするネコ 日本各地で見られる光景だ

しかし、「ネコの日」だからこそ、目を背けず、向き合って欲しい事実があります。

それは、ネコが国際自然保護連合(IUCN)の「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれる外来種で、日本の生態系に大きな影響を及ぼしているということです。

ネコが町中を歩く光景の裏には、多くのリスクが潜んでいます。

今回は「かわいいだけではないネコの側面」と、貴重な生態系を守るためにネコの捕獲活動などを続ける奄美大島での取り組みを取材しました。

なぜネコは生態系に悪影響を及ぼすのか?

ネコが「外来種」というのはどういうことなのでしょうか?

専門家は、元々、日本には沖縄の西表島と長崎の対馬にしかネコ科の動物はおらず、いわゆるイエネコは1000年程前に中国から持ち込まれた外来種だと話します。

沖縄大学 山田文雄客員教授
「中国から仏教の経典を持ち帰るときに経典の紙をかじらないようにと、ネズミ対策でネコを連れてきたのが最初です」

そしてその後も様々な大陸から持ち込まれ、日本に定着したネコですが今様々な問題が起きています。

沖縄大学 山田文雄客員教授
「外へネコを出して交通事故に遭ったり、発情期の騒音問題。庭に来てフン尿をしていくなど様々な問題があり、特に人獣共通感染症のトキソプラズマには注意が必要です」

トキソプラズマは、原虫の一種で、感染しているネコのフンから人にも感染します。

外にいるネコはトキソプラズマに感染している可能性が高い

特に「妊婦の初感染では胎児にも感染して、死流産や先天性トキソプラズマ症(水頭症・精神運動機能障害など)の可能性がある」(厚労省)といいます。

そして特に深刻な問題が、ネコによる生態系の破壊です。

沖縄大学 山田文雄客員教授
「世界には300種類ぐらいの希少種がいますが、ネコはそのうちの14%、約30種を絶滅させたとされています。」

ネコは狩猟能力が高く、捕食以外にも遊びで獲物を狩ることがあるため、生態系への被害が甚大だといいます。

ネコによる生態系の破壊は、日本でも差し迫った危機となっています。