バックカントリースキー中の遭難事故が相次いでいます。
2023年に入って20日までの発生件数と遭難の人数を、2022年の同じ時期と比較します。

2022年は発生件数が6件、遭難者は8人でしたが、2023年は20日までで12件、遭難者は17人と、およそ2倍に急増。3人が亡くなっています。

レジャーの回復に比例するように増える遭難。
バックカントリーへのルートとなるスキー場も、対応に頭を悩ませています。

21日の救助活動の拠点となった、野沢温泉スキー場。
ゴンドラの運行前でも多くの人でにぎわい、新型コロナの水際対策緩和の効果か、外国人の姿も目立ちます。
中には、バックカントリーを滑りに来たという外国人も。

(カナダとアメリカから)「バックカントリーを滑るのはいつも怖いことだと思う、シャベルやビーコンを持って行くけど一人では行かないね、現地では雪崩の危険性を確認している」

ゴンドラやリフトで上部まで上がり、そこからさらに登るなどして山岳を滑ることもあるバックカントリースキー。

スキー場内であれば管理者が禁止区域を設定できますが、場外では原則制限はありません。

(野沢温泉スキー場・片桐幹雄社長)「管理区域外に出るということは私どもも止めることはできない警察も止めたり許可だしたりということもできない」

野沢温泉スキー場では、コースとの境界に2か所のアクセスポイントを設置。

スキー場は、けがなどに責任を持たず、救助や捜索にかかる費用は自己負担であることを明示しています。

(野沢温泉スキー場・片桐幹雄社長)「管理区域外、外に出ていくこれは冬山登山なんですよ、スキーとかスノーボードの延長線上でそれがあるのではなくてそこは全く別な考え方」

救助活動自体も危険をはらむ中、バックカントリーを滑る人には、安全管理が行き届かない冬山に出るという自覚と高い安全意識が求められています。