プーチン氏との融和策を反省すべき 今後は中国の動きがカギ
小川彩佳キャスター:
まもなく1年というなかで、そもそもなぜこの事態が引き起こされてしまったのか。
これまでの各国のロシアとの向き合い方に、反省すべき点があるとみているということですが?

TBSスペシャルコメンテーター 星 浩 氏:
侵攻から1年ですので、検証する必要があると思います。
例えば、ドイツは天然ガスを安く買おうと思ってプーチン大統領に融和的に動いてきた。しかしドイツはそれを反省・検証し、現在は戦車まで供与することになった。

日本は北方領土問題を含む平和条約交渉で、ロシアに対し安倍政権を中心に非常に融和的な対応を進めた。
外務省の事務次官経験者によれば、「安倍さんは信じてはいけない人を信じてしまった」という反省まであったなかで、融和的な動きを進めてきた。
日本はその後、日露交渉を中断し制裁に動いているが、一時の融和的な外交に対して検証・反省・総括というものが行われてないまま進んでいる。そういった点で、やはりじっくりとした検証を踏まえて、新しい対ロ制裁・外交を進める必要があると思います。

山本恵里伽キャスター:
戦争が長期化しているなかで、1つ動きがありました。
アメリカのブリンケン国務長官が18日、「中国がロシアに対して武器の供与を検討している情報がある」と明らかにしました。ブリンケン長官は、中国の王毅政治局員に対して懸念を伝え、武器を供与した場合「米中関係に深刻な問題を引き起こす」と警告したということです。
小川キャスター:
中国の動きが今後のカギを握ると?
星 氏:
2年目に入り中国の動きがカギを握るということだと思います。アメリカは明らかに中国が武器・弾薬を供与することになれば、中国に対しても制裁に動くということを宣言したようなもの。
日本としても、G7の議長国としてG7各国との協力関係を強化したうえで、日本も中国とのパイプをつないだうえで、中国に対して対ロ支援を見合わせるように強く働きかけるような局面が続くと思います。