プーチン大統領の演説を翌日に控えた20日、アメリカのバイデン大統領がウクライナを電撃訪問しました。その様子をロシアメディアはどう報じたのでしょうか?さらに侵攻からまもなく1年が経とうとしている今、市民生活に変化は?
モスクワ支局長から報告です。

侵攻から1年 侵攻後初プーチン大統領が年次教書演説へ

ーーバイデン大統領の電撃訪問について、ロシアではどのように伝えられていますか?

現時点では公式の反応はまだ出ておらず、国営テレビもバイデン氏訪問の一報を短く伝えるにとどめています。政権としてどのような対応をするのか、検討しているものとみられます。

ーー侵攻から1年ですが、実際にモスクワで生活していてどのような変化を感じますか?

当初予想されたような制裁による経済的打撃ですが、政権がしたたかに対応していることもあり、目立った混乱は起きていません。スーパーを利用しても、外国産の値段が高くなりロシア産の商品を買うことが増えたものの、モノ不足は感じません。

数字上で見れば、政権が主張するようにロシア経済は制裁に耐えているようにもみえます。
その一方で、街を歩きますと空き物件が目立ち、失業者の姿を見かけることが増えたようにも感じます。数字に見えてこない経済への影響が出ている可能性もあります。

ーー21日にはプーチン大統領が演説を行うということですが、どのような点が注目でしょうか?

プーチン氏は21日、侵攻後初めてとなる年次教書演説を行います。
すでに国営テレビでは24時間前からカウントダウンを始め、盛り上げを図っています。21日は侵攻に参加する兵士らも会場に招かれるとされ、プーチン氏は侵攻について長い演説を行う見通しです。

21日は侵攻に向かって大きく動き出したウクライナ東部の親ロシア派勢力の独立承認から1年に当たる節目でもあり、演説では改めて侵攻を正当化し、国民の団結を訴えるものとみられます

22日には、20万人規模という愛国的な集会も予定され、プーチン氏も参加するとみられていて、今週は国民の愛国心に訴えかける催しが続きます。