岡山県が来年度予算案に200億円を超える「子ども関連予算」を盛り込む中、いま「2.95」という数字が全国的な注目を集めています。実はこれ、岡山県奈義町の女性1人が「生涯に何人の子どもを産むのか」を推計した、合計特殊出生率の値です。

ご覧のように(画像参照)全国平均より約1.6ポイント高く、全国的にもトップクラス。このことから奈義町は「奇跡のまち」と呼ばれ、注目を集めているのです。

これを受けて、きのう(20日)「異次元の少子化対策」を掲げる岸田総理が現地を訪問し、子育て支援施設など奈義町独自の取り組みを視察しました。

きのう奈義町を訪れた岸田総理です。1月の年頭会見で「異次元の少子化対策」を表明しています。政策の具体化を進めるため、岸田総理は全国トップクラスの合計特殊出生率を誇る奈義町を視察しました。

子育てを支援できる18歳以上の町民を募り、平日の一時預かりを可能にした保育施設や、子育て・シニア世代も働くことができ、総活躍のまちを目指した「しごとコンビニ」などを訪問。奈義独自の支援体制を確認しました。

(保護者)「奈義町での子育てとか生活というのは、すごく不安だったんですけど。地域のみんなで相談できたり『娘を見て、育ててくれている』地域全体で子育てをしてくれている感覚がある」

より良い子育て環境を求め移住してきた保護者からは、「厳しい現状の改革を訴える声」も聞かれました。

(保護者)「保育園が決まらないと、仕事場にも『じゃあ働けます』と言えない。仕事が決まらないと『保育園も受からない』。待機児童は本当に困りました。なかなか高い壁だなと思いました」

(奥正親 奈義町長)「いままでの町の取り組みが肯定された、認められたということで本当に嬉しく思います」

(岸田文雄総理)「子ども施策強化のためには、社会全体での意識を変えていくことが重要であると強く感じた。私も引き続き、子育て当事者の方から直接話を伺うことをしていきたい」

(スタジオ)
岸田総理が視察した奈義町では、
・高校生までの医療費無料
・不妊・不育治療の助成
などの取組みも行っています。

政府は、3月末をめどに少子化対策の具体的な方向性をまとめる方針で、「奇跡のまち」奈義町が全国のモデルケースになるかもしれません。