「ダイ・ハード」や「アルマゲドン」など数々のヒット作に出演してきた米俳優ブルース・ウィリスさん。

「前頭側頭型認知症と診断された」と家族が公表しました。

この型の認知症は40代から65歳未満での発症割合が多く、進行を止める治療薬もまだ開発されていません。

ウィリスさんの家族は「この病気に光が当たることを願っています」とコメントしています。

「誰もがかかる可能性があります」

これまで「ダイ・ハード」シリーズや「アルマゲドン」など数々のヒット作に出演してきたウィリスさん。映画の舞台挨拶でたびたび来日し、日本でも人気を得ていました。

しかし去年3月、突然俳優業の引退を公表。言葉を使う機能が失われる「失語症」と診断されたことを明かしていました。

ブルース・ウィリスさんの家族
「『前頭側頭型認知症』であると診断されました。つらいことではありますが、ようやく明確な診断を得られたことにほっとしています」

症状については意思の疎通に困難が生じているとも…。

ブルース・ウィリスさんの家族
「残念ながらコミュニケーションの問題は、ブルースが直面している1つの症状にすぎません。私たちが聞いたこともないような残酷な病気で、誰もがかかる可能性があります」

ウィリスさんが診断された「前頭側頭型認知症」は、65歳未満で発症する人の割合が多いと言います。

アルツクリニック東京 新井平伊院長
「物忘れとかそういった有名な症状はあまり出なくて、行動が変わったり性格も変わったり、言葉がうまく使えなかったり」
「(ウィリスさんは)最初、失語症と診断されていた以上はおそらく、まず側頭葉中心で変化を受けてきた」

影響を受ける脳の部位によって、大きく症状が異なる認知症。
根本的な原因はまだ解明されていません。

アルツクリニック東京 新井平伊院長
「進行を止める力の治療薬はない。行動異常的なところをうまくコントロールして、生活の質を高めるという治療。対症療法」

認知症の人は全国で600万人を超えると推計されています(厚生労働省)。

アルツクリニック東京 新井平伊院長
「『前頭側頭型認知症』は40~65歳の初老期においてはよく見られます。言葉がしゃべれなかったり、どうしても意欲が下がって来ちゃって、病気のせいなのだけど『お前は何をやっているんだ』というふうに誤解されるのは、アルツハイマー病より多いと思います。変化を周りで見落とさずに、サインとして見つけられるかがポイントになる」