■ 自販機で販路拡大 長崎グルメPRも

(平)例えばお肉やお刺身、かんぼこや焼き芋など多種多様な自販機が長崎県内でも増えています。
こうした中、複数の飲食店が協力して、"自販機を長崎グルメのアンテナショップ" にしようという県内では珍しい取り組みもスタートしています。

長崎港ターミナルの中に店を構える「南蛮亭」

創業53年目の人気店ですが、来客の多くを旅行者や観光客が占めるため、厳しい状況が続いています。

南蛮亭 米津 栄司さん「今年になってだいぶお客さん戻ってきたんですけども、やはりコロナ前と比べると、まだまだお客さんは戻ってない状況です」
これまでテイクアウトなども試みてきましたが、販売は店の営業時間内に限られることなどから、コロナで失った売り上げをカバーするには至っていません。
そこで企画したのが、24時間販売できる冷凍商品の自動販売機の導入でした。

それも単独ではなく県内の複数の飲食店に呼びかけ、長崎グルメを集めたアンテナショップ型の自販機として、27日から稼働を開始しました。

カレーダイナー・アリィ 塚原 仁人さん「コロナ禍になってお店の売り上げが悩んでたときでしたので、こういった形で販路が開拓できて、お店のことも知っていただけるので、非常にありがたい」

コバチ 辻竜太さん「いまは一台だけですけど、行く行くは長崎の色んなところ、長崎県のみならず県外も含めて設置していければ」

ラインナップはうどんやカレー、ラーメンなど県内4店舗の5商品。
自販機による「非対面」販売だけでなく、今後は電子マネーにも対応し「非接触」での購入も可能になる予定です。

南蛮亭 米津 栄司さん「他の飲食店さんもテイクアウト商品いっぱいあると思いますので、数か月ごとに少しずつ変化をもたらして、長崎県内の美味しいものを届けられたらと思っております」
■ コロナ禍の新ビジネス 5つのキーワード
(平)コロナ禍における企業の取り組みについては、日本経団連が国内の大企業などにもヒアリングしていて、そこから見えてきたキーワードをまとめています。

(1)「安心・安全」=コロナ禍の健康と暮らしの安全・安心に向けた取組み
(2)「多様な働き方」=多様な働き方に合わせた場所・空間、ワークスタイルの提案
(3)「巣ごもり消費」=巣ごもり消費等の生活の充実に向けた提案
(4)「デジタル取引」=デジタル取引・コミュニケーションの変化等に合わせた利便性の提供
(5)「リアルの価値」=リアルの場所・体験ならではの価値の提供
最後の「リアルの価値」については、「非接触・非対面」を経験したからこそ再認識されたものである点は興味深いです。
(住)もちろん、感染対策には万全を期すことが前提になると思いますが、確かに「非接触・非対面」の生活が続くと、以前の膝をつき合わせて話すことの重要性を改めて感じます。
(平)そうですね、今日ご紹介した取り組みは自らの事業とこれらのキーワードの組合せを実践した"新たなサービスの創造や既存のビジネスの応用"だと思います
先ほど「ピンチをチャンスに」という言葉を述べましたが、コロナ前の世界に戻るのを待つというよりも、コロナによる変化を受け入れて事業の磨き上げに取り組むことが、まずは「コロナ禍を乗り越える」第一歩となりそうです。
(住)ウイークリーオピニオン、平家達史NBC論説委員とお伝えしました