岩手県釜石市出身のアマチュア棋士・小山怜央さん(29)が、13日の編入試験の第4局に見事勝利し、プロ棋士に合格しました。岩手初のプロ棋士誕生へ、しかも奨励会を経ない史上初の快挙です。

 編入試験は現役のプロ棋士と5戦し、3勝すれば合格です。小山怜央さんは第1局、第2局と連勝し、1月の第3局では敗れたものの2勝1敗とプロに王手をかけて13日の第4局を迎えました。相手は横山友紀四段(23)です。対局は午前10時に大阪市の関西将棋会館で始まりました。
 「居飛車」の小山さんに対して横山さんは「四間飛車」と編入試験では初めて対抗型となりました。
 手元にお茶のほかチョコレートを準備して糖分補給に余念がない小山さんが終始有利に対局を進めると、133手で横山四段を破りました。
 終局後、小山さんは安堵の表情を見せていました。

(小山怜央さん)
「まずはひとつ結果を出すことができてホッとしているというのが一番ですね」

 そのうえで事前に相手の戦法を学んだ努力が勝利を呼び寄せたと振り返りました。

(小山怜央さん)
「横山先生と言えば四間飛車を多く指されているので、戦型によっては研究しやすかった」

 小山さんは棋士養成機関の奨励会未経験のアマチュアとして初めて、また岩手県初のプロ棋士となります。