滞在時間30分…怒とうの乗り継ぎ

旅行代理店からは「20分以上必要です。特に冬場は遅延が起きやすいので余裕を持ったスケジュールで」と念を押されていた。さらに、乗り継ぎのたびに、保安検査場を通らねばならず、普段なら、空の旅の余韻を楽しむようにゆっくり降機するタイプだが、この日ばかりは、そそくさと飛行機を降りる。せめて、「出雲の空気ぐらいは吸いたい」と一度空港の外へ出ると…やっぱり、寒かった。
出雲の滞在時間はわずか30分あまり、今度は名古屋小牧行きの飛行機に搭乗。待っていたのは、先ほど乗ったばかりの赤い飛行機。パイロットも、客室乗務員も同じ顔触れ。聞くと、このクルーは小牧→高知→神戸まで、飛行機はさらに、花巻→小牧まで飛ぶという。フライトごとに、機体の色が変わることを楽しみにしていた記者にとっては少し拍子抜け。ただ、定期路線以外にもチャーター便を積極的に飛ばしているFDAならではのやりくりなのだと妙に感心させられた。

小牧、高知を経て、午後2時前、神戸空港へ。中華街でゆったりランチと行きたいところだが、神戸での滞在時間も35分。ここはぐっと我慢をして、売店で買った明石名物たこめしのおにぎりを「いただきます」。搭乗を待っていたら「おたくも花巻?あそこは着陸前、機体がすごく揺れるよ」と男性に声をかけられる。この方の首にも、赤のネックストラップ。聞くと、もう何度もこのツアーに参加しているというベテランさん。やはり、この旅にはリピーターが存在したのだ。