なぜ、ローテクとも呼ばれる気球に今中国は力を入れているのでしょうか?

1つ言われているのは、警戒管制レーダーで探知がしづらいと言われている点です。
航空機やミサイルなど速いスピードの物体を探知することが目的のレーダーが設定されていますので、漂っている浮遊物は移動速度が遅いですので、目標として識別されない可能性があることを頭に入れて気球に力を入れているのではないか。
また、気球は浮かんでいるものですので、F16戦闘機など、かなり高い能力がないと撃墜することができないと言われているのも逆手にとって、中国は気球に力を入れているのではないかということです。
アメリカの外交・安全保障政策に詳しい明海大学教授の小谷哲男先生は「気球はゴム製のため、通常モードのレーダーではなかなか探知しにくい」と話しています。
気球をレーダーで探知するには、感度を上げる必要があります。安全保障を考えるとこのレーダーの感度をアメリカは上げていく必要があるのかもしれません。
空の話でしたが、海からの動きです。
日本も標的になりうる領海侵入する中国の測量艦です。12日の未明、鹿児島・屋久島沖の領海に中国の測量艦が侵入しました。2022年の1年間で5回入ってきてます。いずれも屋久島沖ということです。
中国の軍事情勢に詳しい笹川平和財団安全保障研究グループの小原凡司さんに思惑を聞くと「海洋進出を強める中国が日本沖の海の状況を調べ、潜水艦を太平洋へ行き来させるルートを開拓しようとしているのではないか」と話していました。
空はもちろんですが、日本の場合は領海。中国と近いので、その部分のもっと深いところに潜水艦を送り込もうとしているのではないかというところも見えてくるわけです。

明海大学の小谷教授は「中国共産党の正当性を維持するため、台湾の独立は武力を使ってでも阻止する必要がある。アメリカと戦争になる可能性が高いため、今のうちに様々なデータを収集している。軍事力も引き続き増強していくだろう」とおっしゃっています。
ホランキャスター:
ウルヴェさん、気球をめぐって米中間の緊張感が高まっているわけですが、目的やどこにいくつ飛ばしているかなど、わからないことがたくさんあります。しかも正しく説明してもらえる可能性があるかというとそうでもなさそうです。本当に不安は募るばかりですよね。
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
不安にさせることも想定にあるでしょうし、ただ今回わかってきたと思うのは、レーダーが高度になってきたからこそ気球が見えるようになってきたのかなと今、小谷先生の話で少し感じたところではあります。
一方で、感度をますます上げていかなければならないという防衛力ですよね。
今まで領地と領海とありましたが、領空からの情報収集をどうやって抑止するかが重要だと思いました。必ずしも、中国は政府がやったからとか、防衛のためとか軍事力強化のためとはもちろん言わないので、引き続き外交と抑止が大事なんだなと思いますね。