トルコには義務化された耐震基準…しかし金払えば免除される実態も

ホランキャスター:
BBCによると、倒壊した建物の中には、新築の建物も含まれ、建物の建築基準に、深刻な懸念がある、ということです。

また、ロイター通信によると、倒壊した集合住宅の建設業者の男が、妻とジョージアに向け出国しようとしたところ、身柄を拘束されたということです。

さらに地元メディアによると、倒壊した建物の責任者134人に、逮捕状が出ているそうです。

これから、建設業者への責任の追及が始まっていくと見られています。

法律上、トルコの耐震基準はどうなっているのか。

1999年に起きたマグニチュード7.4の大地震。このときの死者数は1万7000人以上で、建物の倒壊が1万3000戸以上あったということです。

これをきっかけに、トルコ政府は耐震基準を改正。2004年に、新築の建物に、最新の耐震基準を満たすことを義務化しています。

しかし、耐震基準を満たさない建物が、トルコ全土で670万戸。これは、全体の約4割にあたるそうです。

BBCによると、実は、トルコ政府は、安全基準を満たしていなくても、一定の金額を支払うことで、行政処分を免除してきたという背景があるということです。

井上貴博キャスター:
トルコも大変地震の多い国ですので、もちろん耐震基準は設定されている。しかし、特に低所得層の住む地域などは放置されていて、二次災害、三次災害のリスクが高まります。

田中ウルヴェ京 スポーツ心理学者(博士):
基準をどんなに義務化をしても、義務化に慣れていない。政治的な背景もある。貧富の差もある。私もトルコのイスタンブールに行ったことがあるが、アジア風の密集した市場があったり、ヨーロッパ風の石畳の街、石造りの建物があったりして、そうした街の雰囲気がトルコの魅力なのだが、基準を満たしていないことで、被害が広がってしまったのは残念。

井上キャスター:
日本の耐震基準は世界的にも高い技術があるので、それを取り入れられないか。
まだトルコ政府は機能してますが、シリアはより深刻だと言われている。

田中ウルヴェ京 スポーツ心理学者(博士):
シリアは、政府の問題もあって、救助がうまくいっていない状況がある。たとえ日本が、耐震基準について教えたとしても、それを現場に実装していけるかというのは、また別の問題。トルコのように、お金を払えば行政処分を免除されるといったことが本当にあるとしたら、いくら基準を設けても、机上の空論になってしまう。これをやらなければ駄目だ、ではなく、これをやることが、まちにとって、どれくらい良いことなのかといった考え方を広めていかないといけない。