関東合成工業 犬飼功一社長
「これは言っちゃいけないのかもしれないけれど、原発を動かしてもらった方が良い。電気代だけでなら、(原発を)動かして、(電気代を)下げてもらった方が良い」

「病院が借金だらけになって、潰れてしまう可能性」24時間電源を止められない医療機器

一方、24時間電気を使用しなければならないのが医療機関だ。千葉大病院は、このままでは経営が立ち行かなくなると危機感を強めている。

膳場貴子キャスター
「電気代はどれくらい上がったか?」

千葉大病院 大鳥精司副病院長
「(年間で)3.4億円。病院が借金だらけになって、潰れてしまう状況に陥る可能性がある」

そこで、病院が作ったのが…

「前代未聞の電気代アップ!」
「さっっ 3億円っ!?」

「2022年、千葉大学病院を襲う電気代ショック!」と題したポスター。職員に節電を呼びかけている。

患者の居ない事務室では…

膳場貴子キャスター
「こんな消しちゃうんですか?」

千葉大病院職員
「みんな消します。この辺全部」

事務室は、正午から1時間、消灯することにしていて、職員たちは暗闇の中、もくもくと昼食をとる。

千葉大病院 大鳥精司副病院長
「非常に高度な医療機器を節電してしまうと、医療の質を完全に落とすことになりますので、それはできない」

例えばMRI装置では、24時間救急患者に対応するため、電源を落とすことができない。

千葉大病院 大鳥精司副病院長
「ここがMRIの部屋」

膳場貴子キャスター
「きれいなところですね。機械もすごいけど、この部屋自体もすごい」

千葉大病院 大鳥精司副病院長
「照明は患者に優しい色を使って、リラックスしてMRIを撮ってもらう」

MRIは、電気代が一台あたり、年間510万円程度かかるという。

千葉大病院 大鳥精司副病院長
「当院に5台ある。患者数も多い。これぐらいないと患者のニーズに応えられない。莫大な費用がかかっている」

MRI装置1台につき、機械室が1部屋必要で、その部屋も24時間、気温を20度に保つ必要がある。経営に深刻な影響を与えている「電気代高騰」。病院は医療費に価格転嫁できないため、苦しいやりくりが続いている。

千葉大病院 大鳥精司副病院長
「全く予期してない高騰。医療レベルをキープするために、国か都道府県からサポートをいただきたいと思っています」

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