午後5時になり、保育園から八島さんと次女(6)が帰ってきた。玄関の電気を消し忘れると…

八島さん
「電気消して」

次女(6)
「オッケー」

八島さん
「下は?」

次女(6)
「あ!」

次女の担当は、床の掃除と風呂掃除だが、ガス代節約のため、お湯は使わない。

風呂掃除をする次女
「(水は)冷たいよ。でもなんか楽しい」

掃除が終わると、子どもだけの時間。寒い家で、自然と身を寄せ合う2人。

長女
「エアコンとかが使えないから、毎日、こういう(厚手の)上着とか着て過ごしている」

この日の夕食は、七輪を使う。

八島さん
「電気ガスが高いんで、炭が余ってるのがまだあるので」

八島さんは家事にかける時間を短縮し、子どもと過ごすために電化製品を使っていたが…

八島さん
「今までだったら、(洗濯物を)干した後に、お風呂場で衣類乾燥機で乾かして、また次の日に着られるように回していたんですけど、自然乾燥でやるように変えました。『部屋をしっかり明るくしましょう』『体のために部屋を暖かくしましょう』というのは、今は贅沢っていう印象ですね。これから、さらに電気やガス代が値上げされていくとしたら、一体いくらになってしまうのか」

2月7日、「ひとり親支援協会」が東京・千代田区で記者会見を開いた。「電気料金の値上がりなどで生活が苦しい」として、児童扶養手当の所得制限緩和や増額などを求めた。

1児のシングルマザー(40代)
「お湯を沸かすときにヤカンではなく、フライパンで沸かしてちょっと部屋を暖める」

2児のシングルマザー(30代)
「お風呂も子供達が『寒い、寒い』と言いながら、少ないお湯で済ませています」

SNSでも、「電気料金の請求書」の写真とともに、切実な声が投稿されていた。

寒い地域では、月の電気代が10万円を超えたという人もいた。

SNSの投稿
「生活できないです」

SNSの投稿
「新卒だったら手取り給料が全部電気代」

町工場も悲鳴 電気代50万→94万「じわりじわりと怖い」

電気代の高騰で日本の製造業を支える町工場からも悲鳴が上がっている。

東京・墨田区でプラスチック加工を行う関東合成工業。プラスチック加工で欠かせないのが、徹底した温度管理だという。

関東合成工業 犬飼功一社長
「温度が低すぎると、粘度が下がって流れが悪くなる。高くしすぎると焦げて色がつく」

膳場貴子キャスター
「常に温度を一定に保たなければならないということですね」

空調を控えたり、こまめに消灯したりして、節電に努めているのだが…

2021年11月、50万円程度だった電気料金は、徐々に値上がりし、94万3210円に達した。

膳場貴子キャスター
「節電をしようと思うと、どこで節電するんですか?」

関東合成工業 犬飼功一社長
「いやもう(機械を)止めるしかないですね。止めたら作れなくなる。だからこれはもう、しょうがないのかなって」

電気代の高騰分は価格転嫁できていない。電気代は4月、更に値上げの可能性もある。

関東合成工業 犬飼功一社長
「電気代はボディブローだと思っている。じわりじわりと怖い」

膳場貴子キャスター
「国や政府に求めたいことは?」