ウクライナ情勢をめぐり、国連のグテーレス事務総長がモスクワを訪問し、この後、プーチン大統領らと会談を行います。ロシア軍は攻勢を緩めておらずマリウポリなどでは危機的な状態が続いています。JNNはその避難民を取材しました。
グテーレス事務総長は25日、モスクワ訪問を前に、トルコでエルドアン大統領と会談しました。トルコはロシアとウクライナの停戦協議の仲介役を務めていて、今後も連携していくことを確認したということです。
その後、グテーレス氏はモスクワ入りし、まもなくラブロフ外相と会談を行う予定です。プーチン大統領とも会談し、停戦実現に向けて直接働きかけたい考えです。
こうした中、ロシアが激しい攻撃を行い、一方的に制圧を宣言した南東部マリウポリから避難した女性が、現地の状況を語りました。
2週間ほど前、マリウポリを自家用車で出発したトゥルソワさん。避難先はJNNが取材を続けているザポリージャ。ロシア側が完全制圧を狙う南部の前線まで40キロほどに位置し、多くの避難民が集まる街です。
トゥルソワさんは一緒に避難してきた親族とアパートに入居。しかし、いまも空爆と砲撃の音が頭から離れないといいます。
トゥルソワさん
「いつも空襲や爆撃があり、怖かったです。外出した時も近くで爆撃があり、女性と男性が死にました。遺体は(路上に)放置されていました」
いまも市民10万人が取り残されているとされるマリウポリ。トゥルソワさんは、夫や家族と自宅周辺の地下で6週間近く生活しました。
その最中、夫は地下を出て自宅に食料を取りに行った際に砲撃の被害にあい、がれきが体に直撃。その後数日にわたって息苦しい状態が続きました。容態は日に日に悪化していったといいます。
トゥルソワさん
「私たちは(夫が被害にあった)翌朝にザポリージャに移動して、病院に行けると信じていました」
トゥルソワさんの夫は、家族に見守られるようにして、地下で息を引き取りました。
トゥルソワさん
「夫が買ったマグカップしか残っていません。彼との思い出です」
着の身着のまま避難してきたトゥルソワさんが手放さず持ってきたのは、結婚から2年の記念に夫からもらったマグカップです。
トゥルソワさん
「いま一番願うことはマリウポリの平和な空です。人が死なないことです。マリウポリがどちらの国のものになるかではなく、多くの人が死なないように」
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