私たちが日常的に使用するネットショッピング。Glossom株式会社が2022年に行った調査では、「Amazonや楽天などECサイトで買い物をしますか?」という質問に対して90.4%の人が「はい」と答えました。そんな中でECサイトを利用する際に入力する「ID・パスワード」を盗み取る『フィッシング詐欺』が横行しています。その巧妙な手口の実態に迫ります。

Aさんの場合:精巧に作られた配送通知…ログインすると…

 大阪府に住む20代のAさんのもとに届いた1通のメール。

 【Aさんのもとに届いたメールの内容】
 「商品を1つ本日お届け予定です」

 配送日時のお知らせと思いきやこのメールは実は精巧に作られた偽物でした。
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 (被害にあったAさん)
 「身に覚えがなかったんですけど、もしかしたら何か頼んでいたのかなと思って、詳細にとんで何を頼んだか見ようと思って。そしたらフィッシングメールだったんですけど」
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 本物と見比べてみると、文言は違いますが偽物のメールにも「Amazon」のロゴが載っていて、一見しただけでは見分けがつきません。Aさんは本物のメールだと思い、リンクからログインを試みたといいます。そして5日後…。
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 (被害にあったAさん)
 「『商品が注文されました』みたいなメールが来て、2商品が頼まれていて。全く身に覚えがなかったので」

 アカウントを乗っ取られ、勝手にティッシュとイヤホンが注文されていたのです。しかも…。
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 (被害にあったAさん)
 「これが勝手に使われた分で、その下に僕が頼んだとして(ティッシュを)僕の住所と名前で注文されていて。こっちの履歴だけ見られるんですよ」

 カモフラージュのためか、ティッシュをAさんの自宅に注文。高額なイヤホン(2万6677円)は別の住所に非表示で注文されていました。そのため購入履歴には表示されず、発見を遅らせる狙いだったとみられます。Aさんは商品発送前に非表示の注文に気付いたため注文をキャンセルできました。金銭被害はなかったのですが、憤りを隠せません。

 (被害にあったAさん)
 「これが発送されていたらどうなっていたんだろうなっていう。泣き寝入りするしかないのかなと思うとむかつきますよね。若い世代がだまされることはないだろうと思っていたんですけど」