津波避難の大切さを1000年先まで伝えようと5日、岩手県釜石市で高台にある寺に駆け上がる速さを競う「韋駄天競走」が行われました。

 韋駄天競走は釜石市の仏教寺院・仙壽院などが主催し節分の恒例行事として2014年に始まり、今回で10回目です。
 5日は子どもから大人まで41人が参加し、高台にある寺を目指して高低差26メートル、全長280メートル余りの坂道を駆け上がりました。
 東日本大震災では寺のふもとの市街地に津波が押し寄せ、避難が遅れた人々が犠牲になりました。韋駄天競走はその時の教訓をもとに津波の犠牲となる人が出ないよう、避難の大切さを1000年先まで伝えようと始まりました。

(参加者)
「津波の避難というのは大事なので、順位はともかくとして高台に逃げることを意識して(子どもに)教えてきたので、そこは良かったと思います」

 仙壽院の芝﨑惠應住職は「小さな子どもまで避難の大切さを理解してくれていることはありがたいことだ」と話していました。