アメリカ上空で中国からとみられる偵察気球が確認された問題で、中国共産党系の国際紙は「中国からアメリカに飛ぶ可能性は極めて低い」との専門家の論評を掲載しました。

アメリカ国防総省は2日、中国のものとみられる偵察用の気球がアメリカ上空を飛行し、数日間、追跡と監視を続けていることを明らかにしています。

これを受け、中国共産党系国際紙「環球時報」は3人の専門家の論評を掲載。

宇宙科学技術情報の専門家は、中国から飛ばした場合、気球が飛行できる時間はアメリカ本土に届くほど長くないことなどを理由に、「こうした観測気球が中国からアメリカに飛ぶ確率は極めて低い」と指摘。アメリカ西海岸を航行する各国の商船から飛来した可能性が高いと主張しています。

さらに、航空力学の専門家は「アメリカは人工衛星や航空機を使って気球を偵察する能力がある。空虚な非難をするのではなく、気球が中国から来たことを示す直接的な証拠を示すべきだ」と批判しました。

また、軍事専門家はアメリカによる「自作自演の茶番の可能性は否定できない」としたうえで、中国には衛星ネットワークがあり、気球によるアメリカ本土の偵察には意味がないと指摘しています。